2024/7/11 木曜日

柳井商工高等学校が「(仮称)湯田温泉パーク」、「山口市新本庁舎棟新築工事」の現場見学会に参加しました!

Filed under: 建設業協会 — admin @ 9:43:13

本協会では土木・建築分野を学ぶ高校生に、より一層建設業への理解や興味を深めてもらおうと、毎年山口県土木建築部と共催で高校生現場見学会を実施しています。今回は令和6年6月26日、柳井商工高等学校建築・電子科建築コースの2、3年生20名が参加した現場見学会の様子を取材しました。

最初の見学地は山口市湯田温泉の「(仮称)湯田温泉パーク」新築工事現場です。

湯田温泉パークは、山口市が中心市街地の活性化と観光地域づくりの強化を図るため、県内随一の温泉地を目指して建設を進めている拠点施設で延床面積は3039平方メートル。大屋根広場や多目的スペース、足湯やカフェを備えた「交流棟」と、浴室と貸し切り風呂を備えた「温浴棟」の建設が進められており、2025年3月にプレオープンの予定となっています。

当日はまず、現場に隣接する湯田地域交流センターに集合しました。見学会のはじめに、(一社)山口県建築協会の住田和明専務理事(写真上)から挨拶があり「今日の現場見学では、奥行きや広さなど座学では得られないダイナミックな現場を体感してもらえればと思います。また、一つの建物を完成させるためには、たくさんの方々が協力して働いていることを知ってほしい」と話されました。

次に湯田温泉パークの設計者、工事監理者から工事の概要や建物の特徴について説明を受け、建物の内装や外装に使われる焼杉や木材、床材、天井材、人工芝などさまざまな資材を触らせてもらいました。

設計者は「床や天井は普段あまり記憶に残らないと思うが、音を反響させにくい素材や滑りにくい素材など、それぞれ意図があって資材を選んでいる。どんどん触って覚えておいてほしい」と述べられ、生徒たちは建設資材をじっくりと触り、質感や用途について実感を持って学びました。

その後屋外へ移動し、実際に建設現場を見学。見学時、交流棟は基礎工事、温泉棟は躯体工事が行われており、生徒たちは進捗の違うそれぞれの現場を見比べ、建設の流れや技術について施工者からの説明を受けました。

また、屋根の模型を見せてもらい、屋根の構造や役割についても学びました。

昼休憩では柳井商工高出身の山口県職員の松永千穂さんを囲んで生徒たちが話をする場面がありました。

松永さん(写真上)は、数年前に柳井商工高を卒業し、現在は県の土木建築部で活躍しています。生徒たちは、自分たちと同じ高校を卒業した先輩の話に熱心に耳を傾けていました。
松永さんは「公務員がどんな仕事をしているのか、どのような経緯でこの仕事に就いているのかなど、就職までの道筋と就職後の仕事内容について話をしました。就職について現実的なイメージが掴めるといいなと思います」と話されていました。

午後から訪れたのは、山口市新本庁舎棟の新築工事現場です。山口市新本庁舎は、現本庁舎の老朽化などの課題を解消するとともに、効率的に行政サービスを行うことができるよう建設が進められており、2025年に完成予定となっています。地上6階、地下1階の建物で、延床面積は24,129平方メートル。庇によって建物外皮が紫外線や雨の影響を受けにくくするなど長く使い続けることのできるデザインや天井放射空調システムなどを取り入れ、サステナブルで環境に配慮した庁舎を目指しています。

生徒たちは現場事務所で担当者から工事の概要説明を受けた後、施工中の建物を見学。現場には200tクローラークレーンがそびえ立ち、生徒たちは長く伸びるアームを見上げて、そのスケールに圧倒されていました。

建物内では、1階では空調機器取付、2階では間仕切り壁ボード張りといったように、フロアごとに違った進行中の現場を見ることができました。

また高所からは山口市のシンボルであるサビエル記念聖堂の白い鐘塔も見ることができ、完成後の姿に思いを馳せながら、学びを深めることができました。

最後に質問コーナーの時間が設けられ、若手の施工管理者お二人と施工責任者、工事監理者の方に答えていただきました。生徒からは「台風や大雨時の対応は?」「クレーンの移動方法は?」など現場に関することから、仕事のやりがいやきっかけといったキャリアのこと、また「毎月の給料はいくらですか?」「仮設トイレはどうですか?」「上司との話は嫌じゃないですか?」などさまざまな質問が飛び、和気あいあいとした雰囲気の中、現場で働くプロフェッショナルたちの経験談を聞くことができました。

参加した柳井商工高校建築・電子科2年の立脇悠羽さん(写真上:左)は、「湯田温泉パークは、設計の中に地域の人や観光客が楽しめる工夫がたくさんあって、とても興味深かったです。小さな頃からものづくりが好きで、隈研吾さんの建物を見て自分も設計の仕事がしたいと思うようになりました。将来は環境に配慮した建物をつくりたいです」と語ってくれました。
また同校3年の田中琉偉さん(写真上:右)は「建設途中のものが見られて、建物がどのように仕上がるのかを想像するとワクワクしました。完成したらぜひまた来てみたいです。昨年、井森工業(株)でのインターンシップに参加させてもらったことがきっかけで、将来は施工管理の仕事をしたいと考えており、今日の見学もとても勉強になりました」と話してくれました。

同行した柳井商工高校進路指導部の河井麻里先生(写真上)は「生徒たちはこの見学会を通じて、建物ができる過程や働く方々の姿を見ることで、「働く」という具体的なイメージが持てたのではないかと思います。建設業は自分の携わったものが、多くの人に見てもらえるやりがいのある職業ですので、生徒たちにはぜひ夢を叶えてイキイキとがんばってほしいです」と期待を寄せました。

山口市の新しい核となる建物の現場を見ることができた今回の見学会。まちづくりの醍醐味に触れ、建設業の魅力を生徒の皆さんにも改めて感じてもらえたのではないでしょうか。
本協会は、今後も県や関係機関と連携しながら、将来の建設業界を担う人材の確保・育成に取り組んでいきます。

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