柳井商工高校が「新山口駅北地区再開発事業(2現場)」の現場見学会に参加しました!
土木・建築分野を学ぶ高校生に建設業への理解を深めてもらうため、本協会では山口県土木建築部と共催で、高校生現場見学会を毎年実施しています。例年は5〜8月の間に行っていますが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により10〜11月に延期し、検温や消毒、マスク着用など感染防止対策を講じた上での実施となりました。
今回は令和2年10月27日、柳井商工高等学校(以下「柳井商工」)建築・電子科建築コースの1、2年生27名が参加した「県立多部制定時制高等学校新築工事(施工:井森工業・磯部工業・中原組JV)」、「新山口駅北地区拠点施設建設工事(施工:大成建設・積水ハウス・鴻城土建工業JV」の現場見学会を取材しました。
山口市小郡のJR新山口駅周辺は、県の陸の玄関口としてアクセス機能の強化を図りながら、にぎわいのある広域県央中核都市の形成を目指し、再開発プロジェクトが進められています。これまでに新山口駅内の南北自由通路や橋上駅舎(平成27年)、北口駅前広場(平成30年)が完成。
令和2年には南口駅前広場及び山口宇部道路と新山口駅を結ぶアクセス道路が完成し、駅周辺の風景も数年で大きく変わりました。
現在は駅北口西側に2,000席の収容能力を有した産業交流拠点施設の建設が進められており、一大プロジェクトとして注目を集めています。
はじめに見学に訪れた県立多部制定時制高等学校(仮称)の新築工事現場は、新山口駅北口から徒歩10分ほどのアクセス抜群の立地。県内初の定時制課程と通信制課程を併設する独立校で、午前部、午後部、夜間部の3カリキュラムで構成され、生徒の生活パターン等に合わせた柔軟な教育システムをもつ新たなタイプの高校です。建物は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)5階建て、延べ床面積は約4,600平方メートル。最上階には体育館も設置されます。
生徒の皆さんは、現場事務所で設計者や工事監理者から工事概要の説明を受けた後、2グループに分かれて工事現場を見て回りました。
建物は躯体工事が行われており、周囲に置かれたたくさんの鉄筋や型枠、目の前で動く巨大なクレーンに目を見張っていました。
見学の途中には、10kgの鉄筋を実際に持ち上げさせてもらい「思ったより重い!」「ズシっとくる」など感想が出る中、「使用しているのは、この8倍の長さ」との説明に驚きの声が上がっていました。
また、今回施工管理者として説明を担当していただいた井森工業(株)の山口翔也さん(写真上:左)は柳井商工の卒業生で、実際の現場で活躍する先輩の話に、生徒たちも熱心に耳を傾けていました。
最後に、井森工業(株)総務部の藤井聡美さん(写真上:左)が制作された「現場での女性技術者の活躍」を撮影した動画が放映され、イキイキと働く先輩の姿に女子生徒のみならず男子生徒の皆さんも、しっかりと関心を持って動画に見入っていました。
昼食の後は、JR新山口駅の南北自由通路を見学しました。南北自由通路は、歩行者が駅の北口から南口を自由に往来できるよう作られた通路で、近隣小学校の通学路としても使用されています。
約100m続く壁面には、植物学者パトリック・ブラン氏による自然のアート「垂直の庭」が施されており、生徒の皆さんは約140種もの山口の植生植物が植え付けられた壁面を間近で眺めながら、山口市の担当者から潅水システムや植栽の説明を受けました。
次に向かったのは、新山口駅北地区拠点施設の建設工事現場。2,000席の収容能力を持つ県内最大規模の多目的ホールを中心に、産業交流スペース、公的機関等オフィスといった機能を備えたこの施設は、ビジネスや交流を創出する場として令和3年7月のグランドオープンを目指し工事が進められています。
生徒の皆さんは工事概要の説明の後、実際に施設内に入り作業の様子を見学しました。
むき出しの配管や鉄骨など普段見ることのできない建設中の施設内や、さまざまな作業をされている職人の方々に生徒は興味津々で、見学後の質疑応答では「たくさんの配線や配管があったが何に使用されるものなのか?」「材料はどうやって持ってきているのか」「片付けなどの注意書きがあったが、日々の作業後はどのように整頓しているのか」など、続々と質問が上がりました。
また「就職したいのですが、求人はありますか?」との質問もあり、施工会社の方からも「ぜひそのやる気を持ち続け建設業に入ってほしい」と、生徒の意欲に笑顔を見せていました。
参加した柳井商工の建築・電子科建築コース2年の藤井 芽嬉さん(写真上:左)と宮原 佑月記さん(写真上:右)に感想を聞くと「実際に現場を見ることで、物づくりのイメージが明確になりました。将来建設業に携われたらいいなと思いました」「自分が思っていたよりも、長い工期でしっかりと建物が造られていることを知りました。井森工業さんのお話やビデオを見させてもらい、自分も建設業で働いてみたいなと思いました」と話してくれました。
引率された同校の小川 敦先生(写真上)は「まず、新型コロナウィルス感染症状況下においても対策を講じ、現場見学会を開催していただきありがとうございました。教科書を読むだけではわからない、生の現場の迫力や作業されている方々の様子などを見ることができ、生徒たちにとって、良い刺激になったと思います。また、なんと言っても本校の卒業生が現場でかっこよく活躍している姿には、感じるものがあったのではないでしょうか。今回の経験をぜひ今後の進路等に活かしてくれればと思います」とおっしゃっていました。
本協会では今後とも高校生現場見学会を通じて、次代の建設業・土木業を担う若者たちの支援に努めていきます。
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