2012/12/19 水曜日

県知事及び県議会議長に対し要望書を提出しました!

Filed under: 建設業協会 — admin @ 8:57:14

 

去る12月12日(水)及び18日(火)、当協会の井森会長、砂川副会長、安藤副会長、中村副会長、安光専務理事、上田局長の6名が山口県庁を訪れ、山本県知事及び柳居県議会議長に対し、要望書を提出いたしましたので、ご報告いたします。今年の要望書の内容は下記のとおりです。

「平成25年度 県予算へ対する要望書」

平素より、私ども建設業界に対しまして、深いご理解と格別のご支援ご高配を賜っておりますことに、心より厚くお礼申し上げます。

さて、国土交通省においては、「 我が国の建設産業は、建設投資の減少等により競争が激化し、地域社会を支えてきた建設企業が疲弊するとともに、就労環境の悪化等により若年入職者が減少するなど、かつてない厳しい状況に直面している。地域建設業が、将来にわたり国土づくり・地域づくりの担い手としての期待に応えていくためには、技術者や技能労働者の確保・育成などにより現場の施工力の再生を図るとともに、重層下請構造の是正など公正な契約・取引関係の構築や建設企業の技術力・事業企画力が発揮される多様な事業領域・契約形態への展開などの課題に優先的に取り組む必要がある。」との認識を示しています。

また、当協会が加盟している(一社)全国建設業協会でも同じく、「地域建設業が社会資本整備の担い手であると同時に様々な災害時の応急対応等、重要な社会的役割を果たしていることを踏まえ、これらの役割が持続的に果たせる環境整備、特に会員企業が安定した経営を持続できることを最優先課題として捉え、これまでもその解決策について、提案・要望を行ってきたところであるが、公共投資が急速に減速し競争が激化する中、デフレ経済の影響等も重なり、工事価格そのものも逓減している。このため、企業収益に加え労務単価等も下落し、建設技能労働者を中心とした雇用環境は悪化し、地域建設業を取り巻く状況はますます厳しさを増している。地域の安心・安全を守る建設業を維持するためには、社会環境の変化に対応した入札制度、建設生産システムの改善等により、企業が安定した経営を維持しつつ、人材を確保・育成できる環境を整備する必要がある。」との認識であります。

こうした認識や問題意識については、本県の建設産業界にあっても全く同様であり、特に、政権交代があってからの3年間、「コンクリートから人へ」という衝撃的なフレーズは聞かれなくなりましたものの、公共事業関係予算の削減は依然として続いており、山口県の公共工事費はピーク時の4割程度にまで減少しており、県内建設業界は崩壊の危機に直面していると言っても過言ではありません。
長年にわたり、地域の雇用と経済を支えてきた県内建設業の疲弊は、地域の雇用にも重大な影響を与え、建設労働者の離職や若年労働者の建設業離れが顕著となり、頻発する災害や緊急事態への対応等、地域の安心・安全を確保することが困難になりつつあります。

地方の建設産業が健全な発展と社会的責任を果たしていくためには、適正な利益と受注の確保が不可欠でありますが、現在のように、経営を維持することが精一杯の状況では、災害対応空白地帯の発生の問題や若年入職者の減少による技能・技術の継承といった問題の解決も極めて困難と言わざるを得ません。

本年7月、国土交通省の建設産業戦略会議において、将来の建設産業を見据えて優先的に取り組むべき課題や当面の具体的な対策について、昨年に引き続き、「建設産業の再生と発展のための方策2012」として取りまとめ・提言が行われました。

この「方策2012」では、特に、将来的にも地域を支え得る足腰の強い建設産業の構築として、適正な競争環境の整備や総合的な担い手の確保・育成支援を行うとともに、多様な事業領域・契約形態への展開を行うため、プロジェクトに対応した円滑な契約のための支援・公共工事の入札契約制度の改革等に取り組むべきであるとしております。

まさに建設産業の現状を深刻に受け止めた結果、この提言に反映されたものと考えます。

今、盛んに唱えられている地方の再生という観点から見ましても、これ以上の公共事業の削減が行われれば、大量の失業者の発生は時間の問題であり、雇用機会が少ない地方での失業者の増加は、地方経済へ計り知れないダメージを与えることは必至であります。
既に会員企業の経営努力も限界に達しており、倒産・廃業等経営難による脱会者が急増して会員減少に歯止めのかからない状況にあり、団体の存続そのものが危うい状況となっております。

「建設産業の低迷は、地方経済の問題である。」、と言うことを認識していただき、雇用の確保と景気の下支えのため、積極的な公共投資をお願いします。
また、企業自らも一層の経営合理化、技術力向上等、自助努力は当然でありますが、災害応急復旧や地域貢献活動等を通じ、地域社会から信頼される業界として努力をしているところであります。

県におかれてましても、建設業を単に「発注者」と「受注者」という関係でなく、地域振興の重要な「産業」として再認知いただき、地域に貢献してきた「真に技術と経営に優れた企業」が適正に受注でき、持続的な経営が可能となる環境づくりに一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

つきましては、下記のとおり、ご要望申し上げますので、何卒業界の実情をご賢察の上、格別のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

1 公共事業予算の積極的確保について

 東日本大震災と引き続く台風・豪雨は、被災地に甚大な被害をもたらし、日本列島の災害に対するもろさを露呈しました。県民の安心・安全を確保することは県政の最重要課題であり、今後、防災計画の見直しを初め、ハード・ソフトにわたる防災・減災対策の早急な検討・対策の実施が望まれます。
厳しい財政事情の下ではありますが、本県においても近年多発する豪雨災害や地震等に対する防災・減災対策のための社会資本整備の推進及び老朽化した既存ストックの改修等を早急に前倒しして実施されますよう、公共事業予算の積極的な確保を強く要望します。

2 公共工事の県内企業への優先発注について

(1) 県内で発注される工事は県内企業が施工することが低迷する地域雇用や地元経済の活性化に大きく繋がることから、県発注工事は、県内企業への優先発注をされますよう、強く要望します。
また、私ども県内の企業は、技術に優れた地域の中堅企業を目指し、特殊技術対象工事に対して、下請参加、JV参加等を通じて、技術の習得と向上、技術者の育成に懸命に取り組んできました。その結果、ほとんどの特殊工事について、今や十分県内企業で施工が可能となっています。
つきましては、公共工事が大幅に減少している現在、こうした特殊技術対象工事について、これまで以上に県内企業へ優先発注されますようお願いします。

(2) 当協会の会員企業は、これまでも県との災害協定や社会的要請に基づき、災害発生時には全面的に貢献してきたところであり、また、日々災害等の緊急時に備えて研鑽を重ねているところであります。
つきましては、このような私どもの社会貢献を評価され、災害復旧工事につきましては、県の要請に基づき作業に従事した地元企業に優先発注されるように強く要望します。

(3) 県発注の公共工事が減少する中、県内で実施される「国土交通省等の直轄工事」をはじめ「防衛省所管の岩国基地関連工事」等の大型工事につきましても、県内企業が今以上に参加できるよう強く要望されたくお願いします。

(4) 「入札契約適正化指針」にも示されておりますが、災害対応、除雪、インフラの維持管理等の地域維持事業については、複数企業による共同組織との間で、一括契約や、複数年契約を結ぶ等の検討がされております。
検討に当たっては、既にある県下各地に設立されております建設業協同組合の地域維持事業への参加の可能性についても併せて、ご検討願います。

3 持続可能な建設産業育成施策の推進について
 
 私ども地方の建設企業は、長年にわたる公共事業の削減と受注競争の激化の中で、生き残りをかけた厳しい経営を続けており、社会資本整備を通じて、地域経済と雇用を支え、県民の安心・安全を守ってきましたが、この先どうなるのか、全く先が見えない中、大変不安を感じております。人員を削減し、重機を手離し、ぎりぎりの経営を続けており、経営努力も限界にきておりますことから、特に次の点についてスピード感を持って対応していただくよう特段のご配慮をお願いします。

(1)  「建設産業振興ビジョン」の策定について
 建設産業の果たしてきた役割と共に、建設産業は他の産業と異なり、自ら需要を創出することが困難な特異な産業であるということにも理解を示され、市場原理に委ねることなく、他県同様、建設業法で規定する「建設業審議会」を設置され、建設産業の再生・活性化の指針となる「建設産業振興ビジョン」の策定をご検討願います。

(2) 入札契約制度の改正について
 県におかれましては、本年5月、入札・契約制度における「低入札価格調査基準価格の引き上げ」等の改正に取り組んでいただき会員一同感謝しているところです。
しかしながら、年々悪化する利益率の低下等、現行の制度では、いまだ、企業が存続できる利益が確保できない状況にあることから、最低でも落札率が90%以上となるような入札契約制度の改正及び不良不適格業者排除の観点からも、特に次の点について、更なるご検討をお願いします。

① 総合評価方式の更なる改善と地域の実情を加味した実効性のある運用

② 予定価格の事前公表の取り止め

③ 建築工事に係る設計数量の精算実施

④ 低入札調査基準価格(判断基準額を含む。)の更なる引き上げ

平成24年12月12日

山口県知事  山 本 繁 太 郎 様

              社団法人 山口県建設業協会

                     会 長 井 森 浩 視

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