高校生現場見学会を開催中です!(岩国工業高等学校/都市工学科)
土木・建設分野を学ぶ高校生に建設業の現場の魅力を肌で感じ、社会基盤整備の必要性を考えてもらう機会として(一社)山口県建設業協会では山口県土木建築部と共催で毎年建設現場見学会を実施しています。
平成28年度は土木コース6校、建築コース4校、のべ10校、約350名の高校生が参加する予定ですが、今回は平成28年6月14日に行われた岩国工業高等学校・都市工学科1年生(男子34名、女子1名)の現場見学会の模様を紹介します。
はじめに訪れたのは都市計画街路環状一号線の現場。一般国道2号を起点に防府市街地南側の臨海部を経て、都市の外郭を形成する環状道路です。交通渋滞の緩和や沿線の土地利用の促進とともに、国道2号と重要港湾三田尻中関港とのアクセス性を向上させることで、物流の円滑化を図る役割を担います。
参加した生徒さんたちは、地盤改良の施工方法に使用されているスーパーテールアルメと呼ばれる補強土壁工法や、道路下に埋設し主に下水及び排水用管路と地下道として使用される施工中のボックスカルバートの説明を受け、図面と実際の現場を何度も見比べながら、初めて聞く言葉にも熱心に耳を傾けていました。
その後、地盤改良された箇所を自分たちの足で踏みしめて強度を実感したり、実際の足場に上がりボックスアルバートを間近で見学する中で、驚きと感動の声が上がっていました。
昼食を挟んで、三田尻中関港の港湾改修(耐震岸壁)の工事現場へ。三田尻中関港は国内外の海上輸送網の拠点となる重要港湾で、山口県の地域防災計画における災害時の広域輸送拠点(海上輸送基地)にも指定されました。そのため大規模地震などによる被災時であっても変形・変位なく利用できるように、また想定最大規模の地震直後からでも緊急物資の輸送を可能にするために、耐震強化岸壁の整備が行われています。
工事現場を目の前に、現場担当の方から事業の概要の説明をしてもらいました。東日本大震災や熊本地震を身近に感じたこともあり、防災安全対策の岸壁工事について生徒の皆さんはメモを真剣に取り理解を深めている様子。
また海の環境対策についての取り組みや、工事にかかる費用についてなど色々な角度から積極的に質問が飛び交っていました。現場見学を終えて生徒さんからは「初めて現場を見てスケールの大きさに感動しました」、「工事が完成する時の喜びや達成感に魅力を感じ、こんな仕事をしたいと思いました」などの声が聞かれました。
引率された同校の上田岳史先生は「早い時期から建設業に魅力を感じ、イメージを確立するために本校では一年次から現場見学を実施しています。生徒が学校を出て普段見られない現場を見学し、働く人から生の話を聞くことは、授業や教科書では学ぶことが難しい、建設業の魅力を肌で感じることになる大変貴重な体験です。これからの進路選択の参考になればと思っています」と生徒の皆さんに期待しておられました。
今回の経験によって建設業界への関心と理解が深まり、希望する道を見つけてくれることを願っています。
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