下関工科高校が「国道191号粟野橋(仮称)橋りょう整備工事」、「只の浜海岸 海岸災害復旧工事」の現場見学会に参加しました!
本協会では土木・建築コースで学ぶ高校生により一層建設業への理解や興味を深めてもらおうと、毎年山口県土木建築部と共催で高校生現場見学会を実施しています。
今回は令和5年6月13日、下関工科高等学校・土木コースの2年生18名が参加した現場見学会の様子を取材しました。
最初の見学地は下関市豊北町にある国道191号粟野橋(仮称)橋りょう整備工事の現場です。粟野橋は昭和32年に架橋された全長106mのコンクリート橋で、架橋後60年以上が経過。損傷した箇所は補修しながら利用し続けてきましたが、橋を支える部分である支承の損傷が激しいため、平成30年から新しい箱桁橋への架け替え工事が行われています。
生徒達は現場に到着すると、まず本協会職員からイメージアップ広報誌Pillar(ピラー)を使った、地元建設業界の魅力やインターンシップ等の紹介を受け、その後下関土木建築事務所と施工業者の担当者から、事業概要や橋の施工方法、河川の汚濁防止対策について説明を受けました。
説明の後は、実際に建設中の橋の上部工と箱桁の中を見学しました。
橋の上部工は鉄筋が張り巡らされ、コンクリートを流し込む前の状態。
生徒達は鉄筋の特徴やコンクリートの流し方などを施工の担当者に積極的に質問し、しゃがみこんで足元を確認しながら、これから完成する橋のイメージを膨らませていました。
箱桁内部の見学では、入り口が狭く、初めは戸惑いの声が上がっていましたが、中に入ると見上げる高さの空間が広がっており、大きな連結ボルトやハンドホールと呼ばれる開口部の説明を受けながら、興味津々に周囲を見渡していました。
見学後の質疑応答ではさまざまな質問が上がる中、「現在の橋は橋脚が5本だが、新しい橋は4本になっている。橋脚を少なくしたのはなぜか」との質問には、「周囲の安全と環境保全のために、できるだけ川の流れは阻害しないほうがいい。新しい橋の構造なら橋脚を4本にできる」との回答があり、深く頷く姿が見られました。
説明を担当したUBEマシナリー(株)の船津美希さん(写真上)は下関工科高校の卒業生で、元気な生徒達を嬉しそうに見つめながら「ものづくりの過程を実際に見ることで、作業する人の凄さやものづくりの醍醐味が伝わればいいなと思います」と話されていました。
午後からは、長門市只の浜海岸の海岸災害復旧工事へ。コバルトブルーの美しい日本海が広がる海岸で、海水浴や釣り客が訪れる人気スポットですが、2022年9月に発生した台風14号の影響により護岸の一部が崩れたため、現在復旧工事が進められています。海岸沿いにJRの線路があるため道路からはクレーン車が入れないことから、クレーン船を使用し、海上から被災ブロックの撤去が行われていました。
生徒達は作業を見学しながら、被災時の状況の説明を受け、巨大な護岸ブロックをも壊すほどの自然の力に改めて驚いているようでした。
参加した下関工科高校土木コース2年生の稲垣 萌樹さん(写真上:左)は「橋桁の部分が箱状になっていて、中が空洞になっていることに驚いた。女性の先輩が活躍されていて、自分にもこんな仕事ができるかもしれないと希望が持てたし、安心しました」と話してくれました。
また、同校2年生の大野 真詩さん(写真上:右)は、「古い橋と新しい橋を同時に見ることができ勉強になりました。過去にはできなかったことが今の技術ででき、より良いものが作られていくんだなと思いました。将来は地元で橋やトンネルをつくるような工事に携わりたい」と未来の夢を語ってくれました。
引率された同校の岡田 雅央先生(写真上)は、「現場見学ではスケールの大きなものが人の力で作られているのを見て、建設業の魅力を肌で感じてくれたらと思います。また、今日の現場では卒業生が活躍してくれていましたが、こういった先輩とのつながりも含め、人と人とのつながりを大切にしながら成長していってほしいですね」とおっしゃっていました。
本協会では今後とも高校生現場見学会を通じて、次代の建設業・土木業を担う若者達の支援に努めていきます。
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