岩国工業高校が「国道490号道路改良(雲雀山トンネル)工事」、「国道437号(大島大橋)橋りょう補修工事」の現場見学会に参加しました!
本協会では土木・建築分野を学ぶ高校生に、建設業の魅力を肌で感じ理解を深めてもらおうと、毎年山口県土木建築部と共催で高校生現場見学会を実施しています。
今回は令和4年6月14日、岩国工業高等学校・都市工学科の1年生33名(男子29名、女子4名)が参加した現場見学会の様子を取材しました。
あいにくの雨模様となった当日。初めに訪れたのは、美祢市美東にある国道490号道路改良工事現場です。
国道490号「小郡萩道路」は美祢市の美祢東JCTと萩市内を結ぶ延長約30kmの地域高規格道路で、県央部と山陰地域を結び観光客の増加や産業の活性化を図ることなどを目的に整備が行われています。
1999年度から着工し、既に美祢東JCTから絵堂ICまでの12.9kmは供用中。現在は絵堂ICから萩・三隅道路に接続する萩ICまでの約15km(絵堂萩道路)の改良工事が進められているところです。今回はその区間にある「雲雀山トンネル」の工事現場を見学しました。
生徒たちはまず現場近くの美東センターで、本協会職員からイメージアップ広報誌Pillar(ピラー)を使った地元建設業界の重要性PRや高校生向け記事の紹介を受けた後、宇部土木建築事務所の担当者から事業概要やトンネルの施工方法について説明を受けました。
ドローンで上空から撮影した整備中の道路やトンネル内の発破作業など、動画を交えた説明はとても分かりやすく、生徒たちも熱心に話を聞いていました。
また、説明の最後に、建設業のやりがいや待遇、働き方についてのお話もあり、「ひと昔前の建設業はきつい・汚い・危険の3Kと言われていたが、現在は給与・休暇・希望の新3K。暮らしを豊かにし、守る建設業にぜひ興味を持ってほしい」と、建設業に携わる職員さんの熱意に触れました。
その後、雲雀山トンネルの現場へ。雲雀山トンネルは美祢市美東町絵堂と萩市明木にまたがる長さ約620mのトンネルで、訪れる1週間前に貫通式が行われたばかりでした。
見学時には内部をコンクリートで覆う作業が行われており、生徒たちは普段見ることのできない施工中のトンネル内を歩きながら、スライドセントルとよばれる移動式の巨大な型枠やコンクリートポンプ車などを間近に見て、その大きさを体感していました。
質疑応答では「トンネル内の空気はどのようにしているんですか?」と質問があがり、「開通したので今はないけれど、先日までは巨大な送風機が設置されていた。掘削中は重機の熱がこもるので空気の入れ替えはとても重要です」との返答に、大きく頷く姿が見られました。
午後からは、周防大島の国道437号(大島大橋)橋りょう補修工事現場へ。大島大橋は1976年に竣工した全長約1020mのトラス橋で、屋代島と本土を結ぶ唯一の橋です。
1999年から補修工事が行われており、これまでの工事で耐震補強工事はほぼ完了。現在は耐久補修工事を中心に作業が行われています。
見学時は一度古い塗装を剥がし、新たな塗装を塗り直す大規模な塗装塗替えの作業中で、生徒たちは防護服を着用して橋の下部工に設置された足場に入り、施工の様子を見学しました。
高さのある足場の上で、初めは不安な様子も見られた生徒たちですが、現場の方からの説明を受け周囲を見渡し、作業によって色の違う箇所を覗き込みながら、橋の状況を確認していました。
また、座学では「つくったら終わり」ではなく、維持管理を計画的に行うことで寿命を長引かせること、「ライフサイクルコスト」の重要性についても学びました。
参加した岩国工業・都市工学科1年生の山崎 和眞さん(写真上・左)と弘重 香龍さん(写真上・右)は「施工中のトンネルに入るのは初めて。石や土でゴツゴツしている地面がこれから綺麗に仕上げられていくと思うと、本当に人の手で作られるものなんだなと実感した」「将来は橋やトンネルなど大きなものをつくってみたい」と話してくれました。
また、同じく1年の重岡 龍之介さんは(写真上)「資料などで数字を見るだけではわからない、想像を上回る大きさと現場の迫力、建設業の魅力が感じられた。ものづくりに興味がありこの学科を選んだので、今日の見学がとても参考になりました」と話してくれました。
引率された同校の堂野 勝先生(写真上)は、「今回の参加はまだ1年生ですが、建設業を志す生徒が多かったので、質問も活発に出ていてよかったなと思います。学校ではまだ習っておらず構造など難しかったかもしれませんが、現場の雰囲気を感じて、興味関心を深めてもらえたらと思います」と生徒の皆さんに期待を寄せておられました。
今回の現場見学会によって、少しでも多くの生徒の皆さんが建設業の魅力や大切さを感じ、建設業界で活躍してくれることを願っています。
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