村岡山口県知事及び柳居県議会議長に対し、要望書を提出しました！
去る１２月１２日（金）、村岡山口県知事及び柳居県議会議長に対し、要望書を提出いたしましたので、ご報告いたします。今年の要望書の内容は下記のとおりです。
「平成２７年度 県予算へ対する要望書」
平素より、私ども建設業界に対しまして、深いご理解と格別のご支援ご高配を賜っておりますことに、衷心より厚く御礼申し上げます。
さて、国土交通省においては、「我が国の建設産業は、復興をはじめ、防災、減災、老朽化対策、耐震化、インフラの維持管理などの担い手として、その果たすべき役割はますます増大している。一方、長年にわたる建設投資の大幅な減少と受注競争の激化により、建設業の経営を取り巻く環境は悪化し、ダンピング受注等による建設企業の疲弊や下請企業へのしわ寄せ、その結果として現場の技能労働者の処遇低下や高齢化等の構造的問題が生じている。これらの課題に対応し、将来にわたる建設工事の適正な施工及び品質の確保と、その担い手の中長期的な育成・確保を図るため、「担い手３法改正」の具体化に向けた取組を官民一体となって検討し、着実に実行に移していく必要がある。」としております。
こうした中、本協会が加盟する（一社）全国建設業協会においても、「地域の建設業が社会資本整備の担い手であるとともに、地域経済ならびに地域雇用、地域の防災・減災の役割を担っていることを踏まえ、これらの役割を安定的かつ継続的に果たせるための環境整備、特に地域建設業の経営の安定化を最重点課題として捉え、建設業界の抱える諸問題ならびに改善策等について提案・要望を行ってきたところである。そのような状況下において、平成25年は、公共事業費の増加、国土交通省をはじめ各発注機関において、建設業の担い手の確保・育成や建設生産性の向上に寄与する施策等が実施されたことに加えて、国土強靭化基本法の成立により建設業の重要性が再認識され、さらには本年６月、品確法・建設業法・入契法の一体的改正が行われたことにより企業経営の改善に大きな期待が寄せられるところである。地域の建設業が社会資本整備の担い手として、また地域の守り手としての役割を将来にわたり着実かつ安定的に果たすためには、すべての発注者と施工者が、改正品確法の基本理念を理解し、官民一体となって諸課題の解決に向けた取り組みを強力に推進する必要がある。」との問題提起を行っております。
このような認識や問題提起については、本県建設業界においても同様であり、特に、本県の公共事業関係費はピーク時に比べ大幅に減少し、この傾向に合わせるかのように受注競争が激化し、収益性は著しく低下し、経営難による倒産・廃業が相次ぎ、本協会の会員数もピーク時のほぼ半数に減少しており、県内建設業は、正に危機的状況にあるといっても過言ではありません。
長年にわたり、地域の雇用と経済を支えてきた県内建設業の疲弊が、このように永く続きますと、県内の景気・雇用にも重大な影響を与え、次世代への技術・技能の承継や若者の入職促進が困難となり、また昨年７月の山口市、萩市、阿武町及び本年８月の岩国市など県東部を襲った激甚災害を始めとする緊急事態への対応等、地域の安全・安心を確保することが困難となって参ります。
こうした状況下にあって、私ども建設企業自らも一層の経営合理化、技術力向上等に取り組むとともに、災害応急復旧や地域貢献活動等を通じ、地域社会から信頼される業界となるよう自助努力を重ねているところですが、地方の建設産業が健全な発展と社会的責任を果たしていくためには、何よりも適正な利益と受注の確保が不可欠であります。
つきましては、建設業を単に「発注者」と「受注者」という関係でなく、「建設業も重要な産業の一である。」という位置付けの下、本県建設産業発展のため、公共事業予算の安定的な確保等について、下記のとおりご要望申し上げますので、何卒、実情をご賢察の上、格別のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
記
１ 公共事業予算の安定的な確保について（継続）
日本大震災に引き続く台風・豪雨は、被災地に甚大な被害をもたらし、日本列島の災害に対するもろさを露呈しました。県民の安全・安心を確保することは県政の最重要課題であり、今後、防災計画の見直しを初め、ハード・ソフトにわたる防災・減災対策の早急な検討・対策の実施が望まれます。
厳しい財政事情の下ではありますが、本県においても近年多発する豪雨災害や地震等に対する防災・減災対策のための社会資本整備の推進及び老朽化した既存ストックの改修等を早急に前倒しして実施されますよう、公共事業予算の安定的な確保を強く要望します。
２ 公共工事の県内企業への優先発注について（継続）
県内で発注される工事は県内企業が施工することが低迷する地域雇用や地元経済の活性化に大きく繋がることから、県発注工事は、県内企業への優先発注をされますよう、強く要望します。
また、私ども県内の企業は、技術に優れた地域の中堅企業を目指し、特殊技術対象工事に対して、下請参加、ＪＶ参加等を通じて、技術の習得と向上、技術者の育成に懸命に取り組んできました。その結果、ほとんどの特殊工事について、今や県内企業で十分に施工が可能となっています。
つきましては、公共工事が大幅に減少している現在、こうした特殊技術対象工事について、これまで以上に県内企業へ優先発注されますようお願いします。
（１）当協会の会員企業は、これまでも県との災害協定や社会的要請に基づき、災害発生時には全面的に貢献してきたところであり、また、日々災害等の緊急時に備えて研鑽を重ねているところです。こうした私どもの社会貢献を評価され、災害復旧工事につきましては、県の要請に基づき作業に従事した地元企業に優先発注されるよう強く要望します。
（２）県発注の公共工事が減少する中、県内で実施される「国土交通省等の直轄工事」を始め「防衛省所管の岩国基地関連工事」等の大型工事につきましても、県内企業が今以上に参加できるよう強く要請していただきますようお願いします。
また、県の最重点施策である「産業力・観光力の増強」に基づき県内に立地されました企業が発注される工事等につきましても、（民・民工事であることは承知いたしておりますが、）可能な限り県内企業が受注できますよう、ご検討をお願いします。
（３）「入札契約適正化指針」にも示されておりますように、災害対応、除雪、インフラの維持管理等の地域維持事業については、複数企業による共同組織との間で、一括契約や、複数年契約を結ぶ等の検討がされております。
検討に当たっては、既にある県下各地に設立されております建設業協同組合の地域維持事業への参加の可能性についても、併せてご検討をお願いします。
３ 持続可能な建設産業育成施策の推進について（継続）
私ども地方の建設業は、長年にわたる公共事業の削減と受注競争の激化の中で、生き残りをかけた厳しい経営を続けながらも、社会資本整備を通じて、地域経済と雇用を支え、県民の安全・安心を守ってきましたが、この先どうなるのか、全く先が見えない中、大変不安を感じております。人員を削減し、重機を手離し、ぎりぎりの経営を続けており、経営努力も限界にきておりますことから、特に、次の点についてスピード感を持って対応していただきますよう特段のご配慮をお願いします。
（１）「建設産業振興ビジョン」の策定について
建設産業の果たしてきた役割と共に、建設産業は他の産業と異なり、自ら需要を創出することが困難な特異な産業であるということにも理解を示され、市場原理に委ねることなく、他県同様、建設業法で規定する「建設業審議会」を設置され、建設産業の再生・活性化の指針となる「建設産業振興ビジョン」の策定について、ご検討をお願いします。
（２）入札契約制度の改正について
県におかれましては、昨年度、入札・契約制度における「低入札価格調査基準価格の引き上げ」等の改正に取り組んでいただいたところですが、年々悪化する利益率の低下等、現行の制度では、いまだ、企業が存続できる利益が確保できない状況にあることから、入札契約制度等の改正及び不良不適格業者排除の観点からも、特に次の点について、更なるご検討をお願いします。
�� 最低でも落札率が９５％以上となるような入札契約制度の改善
�� 建築工事に係る設計数量の精算実施
�� 低入札価格調査基準価格（判断基準額を含む。）の更なる引き上げ
４ 改正品確法の基本理念に基づく発注関係事務の適切な対応について（新規）
国においては、改正品確法の基本理念にのっとり、発注者を支援するため、地方公共団体等の意見を聴いて、公共工事の性格、地域の実情等に応じた入札及び契約の方法の選択その他の発注関係事務の適切な実施に係る制度の運用に関する指針（法第22条に規定する「発注関係事務の運用指針」）を定めることとされておりますが、県におかれましては、本運用指針策定後は、�…敢此�設計段階、��工事発注準備段階、�Ｆ�札契約段階、�す�事施工段階、�ゴ粟�後の各段階での発注関係事務の適切な対応をお願いします。
平成２６年１２月１２日
山口県知事 村 岡 嗣 政 様
一般社団法人 山口県建設業協会
会 長 井 森 浩 視
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