（社会貢献活動功労者で下関支部の中村支部長（写真左から２番目）が受賞）
（一社）全国建設業協会（全建）では、地域の建設企業が行っている社会貢献活動を国民に正しく理解・認識してもらうために、平成１８年より毎年７月を「建設業社会貢献活動推進月間」と定めております。
７月の月間中には各県建設業協会は会員企業と連携して、地域建設業界の実践している幅広い社会貢献活動を広くアピールするとともに、公共事業への理解を深める活動を展開しています。
その一環として、全建主催による、第８回目の「建設業社会貢献活動推進月間中央行事」が去る７月２５日に東京都の経団連会館において開催されました。
（挨拶に立つ全建の本間副会長）
冒頭、本間全建副会長からは、「異常気象の影響でゲリラ豪雨が全国各地で頻繁している。このような予測がつかない災害に対して、私ども建設業協会は即時にパトロールを開始し、被害が発生すれば、すぐに現地に駆けつけ、道路を啓開したり、土嚢を積み上げて洪水に備える等、被害を最小限にくい止め、地域住民の安全を守っております。しかし、残念ながら、このような活動はあまり一般的には知られておりません。地域の地形や実情を熟知した地元の建設会社にしかできない活動でありますことから、こういった活動を広く一般の方に知ってもらうためにも地道に社会貢献活動をＰＲしていきたい。」と挨拶されました。
挨拶の後、全国で２７の協会、３２の会員企業が災害復旧支援活動や環境美化活動及びイメージアップ活動など６つの部門毎に受賞式が行われました。
中国地区では、山口県建設業協会下関支部が「環境美化活動」の部門で受賞され、同支部長であり協会副会長の中村�盪峪瓠塀撒塙�業�蝓�が代表して、「建設業社会貢献活動功労者表彰」を受賞しました。
（熊本県建設業協会の事例発表）
受賞式の後は、恒例の活動事例の発表がありました。今回特筆すべきは熊本県建設業協会阿蘇支部の行った「熊本広域大水害の復旧支援活動」の発表です。
平成２４年７月１２日に発生した豪雨では、バックビルディング現象により同地区の観測史上最大となる時間雨量１０８mmを記録し、わずか４時間で３８５mmの降水量となりました。
この影響で黒川を中心とした中小河川が氾濫し、周辺地域は冠水、住民が避難する事態になりました。
また、この地域は火山灰層なので、大量の雨水を含んだ土石流が発生し、６名の方が亡くなりました。
阿蘇支部では自衛隊や警察が人命救助活動を行う前に被災地の土砂等をバックホー等により撤去し、救助活動の一翼を担いました。
しかし、この災害での犠牲者は２３名、２名の行方不明者が出るという惨事となりました。
（一社）熊本県建設業協会では、熊本県と「大規模災害時の支援活動に関する協定」を締結しています。
今回が協定後初となる出動となりましたが、初動活動は速やかに行われたようです。
災害発生直後には、協会本部内に災害対策本部を立ち上げて、翌日には協会長が現地を視察したそうです。
阿蘇支部では５１社の会員全てが自ら被災した企業も多い中、災害復旧活動に参加しました。
ただし、復旧活動の問題点として、下記の３点が挙げられました。
�々顱Ω�・市町村・民間からの応急措置に依頼が重なり、情報が錯綜した。
�∈匈臆媾蠅�多すぎる為、担当職員と現場立会いが出来なくて、具体的な指示がもらえなかった。
��ある業者は、１人の担当者で７月１２日だけで、携帯電話の発信件数が８０件、着信件数が４０件（合計１２０件）もあった。
この問題点を解決するため、熊本県と（一社）熊本県建設業協会では、平成２５年４月に災害基本協定に規程する活動を行う為の「災害情報共有システム」の運用が開始されました。
更に、この活動の実績が認められて、平成２５年には（一社）熊本県建設業協会は「指定地方公共機関」に指定され、会長が「熊本県防災会議委員」に就任することになりました。
これからは自衛隊や消防と同じく、法に基づいた機関として、災害時に公共的役割を担うことが認められ、建設業が地域の安心・安全を担っていることの広範囲な理解の促進につながると期待しています。
